何を考える

音大時代に、ピアニストの友人が

コンチェルト・トライアルという

学内コンクールに出て、

選ばれると次の学期に

協奏曲を学オケの一つと

演奏できる、という正念場の時に、

ヴァイオリニストの友人が、

「ね、xxちゃんってさ、

弾いてる時、何考えてるのかなって

思ってさあ!」

と、急に言い出したのです。


今、思うとやたらに哲学的な

ことを言い出したのでしたが、

急に言われたxxちゃんは、

「えっえっ!?何って?!

ピアノのこと考えてるんじゃないの?!」

と、なんだか、自信ないというか、

考えたことないこと聞かれた!

みたいな反応でした。


または、実は、

夕ご飯のメニューを

考えていた?!


いやそれはない。


私はそれからは、自分が弾く時に、

時々その時のことを思い出して、

可笑しくなります。


結局その回だったのか次のチャンスだったのか

忘れましたが、xxちゃんは

お父様の大好きなラフマニノフの

協奏曲を、ご両親も聴きにいらした前で、

ちゃんとオケと弾いたと

記憶しているので、

ピアノのことをちゃんと考えて

最後まで弾ききったのだなと

思いますが、

そのシーンは私には

面白いコントのようでした。


自分が演奏している時に、

私は何を考えているのか?


自分、大丈夫かな?


とか、


あっ椅子が滑る!


とか、


譜めくり、遅っ!


とか、


そんなことは考えますが、一度、


「あっ曲間では拍手なしって

言われたのに、

今、拍手入ったな!

気に入ってもらえたのかな!」


と考えた時がありました。


あとで録音を聴いたら、

なんと明らかに

「ゴミ屋さんの車が

ゴミを砕くバリバリした騒音」

だったのです。


すごくないですか、

アドレナリンの仕業?!


なぜ今、それを思い出したかというと、

今日のコンサートで、

曲間に拍手はないコンサートなのに、

拍手があったからです。


そこは工事中だったので、

また工事の音を拍手と

思ったのかなと

自分では思いましたが、

あとで聞いたら

「拍手あったね」

とみんな言っていました。


この話で言いたいことは、

弾いている間は

少し頭がおかしくなるという

ことです。


でも、


なぜなのかわかりませんが、


その、ゴミ屋さんの時も、

今日も、


(だいたい

200曲ぐらい、

弾く中で)


同じ曲、

バッハの

「Meine Seele」

BWV733


だったのでした。


不思議すぎる話

(全然不思議じゃなくて

すみません)。

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